腎と臓器との関連
Relation between a kidney and internal organs

 

   東洋医学における「腎」とは、腎臓、副腎、膀胱、生殖器、泌尿器の総称を言い、体内の水分と内分泌系を調節するとともに、大切なエネルギーと栄養物質を貯え補う役割をしています。

 

   漢方製剤「八味地黄丸」は、加齢からくる腎の衰え(腎虚)による諸症状にすぐれた効果を表すことがあります。

 

   しかし漢方処方を選ぶとき「老化」=「八味地黄丸」という考えは大きな間違いです。

 

   専門的な話になりますが、「八味地黄丸」は「腎陽虚」の漢方薬で、「六味地黄丸」は「腎陰虚」の漢方薬です。

 

   この「腎陰虚」と「腎陽虚」の区別ができないと効かないばかりか体調を悪くすることが考えられます。

 

   例えば冷え性で寒くてしょうがない人に、毎日氷水を飲ませたらますます冷えて具合がわるくなります。

また暑がりの人に毎日トウガラシや熱い物ばかり食べていたら余計に暑くなりすぎて心臓や腎臓にも負担がかかります。

 

   このことからもお判りのいただけるようにその人の『体質』と『症状』等により漢方薬は選びます。

 

 

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漢方薬選定の重要性

 

漢方は「個人医学」と言われるように個人個人に応じた漢方薬を処方しなくてはならない。

厳密には同一の病人は二人といないからで、西洋医学と東洋医学の大きな違いはここにある。