不眠の漢方治療

 

色々なストレスが自分の意識しないうちに強い刺激となり、神経を酷使することでその結果、脳下垂体から分泌されるホルモンのバランスが崩れてきます。

それにより各臓器や自律神経の働きもまた狂ってしまい、それがまたストレスになってしまい悪循環に陥ってしまいます。

脳や神経そして体がリラックス状態にならないと寝つきにくいだけでなく、睡眠の途中で目が覚めやすくなってしまいます。

そのリラックス状態を作ってあげるのが漢方薬の役割です。

外からのストレスで起こる不眠には「桂枝加竜骨牡蛎湯」や「香蘇散」を使い,気鬱(気の巡りが悪いこと)を取り除き楽にしてあげます。

胃腸に異変を伴う不眠の場合には「六君子湯」や「小建中湯」、胃腸でも気分が鋭敏な場合は「半夏厚朴湯」、一つことを考え過ぎることによる不眠は「帰脾湯」などを使います。

肝臓よりくる不眠には「柴胡桂枝乾姜湯」、「補中益気湯」「抑肝散加陳皮半夏」、体力のある方には「柴胡加竜骨牡蛎湯」が良いでしょう。

腎臓からくる不眠は「五苓散」、血の巡りが悪ければ「当帰芍薬散」などで対応します。

皮膚病でもカユミやアレルギー毒素のために不眠になることがあります、このようなときには「荊芥連翹湯」や「柴胡清肝湯」などで毒素を取り除いてあげると寝つきが良くなります。

その他にも下記のような漢方薬が使われます。

小柴胡湯、大柴胡湯、柴胡桂枝湯、加味逍遥散、桂枝茯苓丸、四逆散、四物湯、温清飲、三黄瀉心湯、黄連解毒湯、甘麦大棗湯、酸棗仁湯、天王補心丸、苓桂朮甘湯などがあります。

漢方薬の処方を決定する重要な診立てとなるのが四診(望診、聞診、問診、切診)と呼ばれる漢方独特の診断方法です。

それに加え漢方薬を構成している生薬の薬味薬性により必要な生薬が選ばれます。

選ばれた生薬から漢方処方を決定するというプロセスをとります。このプロセスを無視した病名による処方決定では、その方に合った漢方薬を見つけることは至難の技になってしまいます。

自律神経の亢進やホルモンの変調を起こしてしまうと、不眠だけでなく全身の不調を訴えるようになります。

その不調を取り除くために「双参」という生薬製剤を漢方薬と併用しています。この「双参」は弱った方なら体質に関係なく使うことのできる便利なもので、漢方薬との相乗効果が期待できます。

詳しくはご相談ください。